virt-alignment-scan(1) | Virtualization Support | virt-alignment-scan(1) |
名前¶
virt-alignment-scan - 仮想マシンのパーティションにおけるアライメントの確認
書式¶
virt-alignment-scan [--options] -d domname virt-alignment-scan [--options] -a disk.img [-a disk.img ...] virt-alignment-scan [--options]
説明¶
古いオペレーティングシステムが自身をインストールするとき、パーティションツールが基礎となるストレージと一致しないセクターにパーティションを配置します (一般的に最初のパーティションはセクター 63 から始まります)。一致しないパーティションにより、必要以上に I/O を発生させるというオペレーティングシステムの問題を引き起こします。
virt-alignment-scan ツールは、仮想マシンおよびディスクイメージにあるパーティションの配置を確認します。配置に問題があれば警告します。
現在、配置の問題を修正するための仮想化ツールはありません。ゲストオペレーティングシステムを再インストールすることだけができます。以下の NetApp のドキュメントが、問題と取り得る解決策をまとめています: http://media.netapp.com/documents/tr-3747.pdf
出力¶
このツールをディスクイメージにおいて直接実行するには、-a オプションを使用します:
$ virt-alignment-scan -a winxp.img /dev/sda1 32256 512 bad (alignment < 4K) $ virt-alignment-scan -a fedora16.img /dev/sda1 1048576 1024K ok /dev/sda2 2097152 2048K ok /dev/sda3 526385152 2048K ok
libvirt が把握している仮想マシンにおいてツールを実行するには、-d オプションおよびおそらく -c オプションを使用します:
# virt-alignment-scan -d RHEL5 /dev/sda1 32256 512 bad (alignment < 4K) /dev/sda2 106928640 512 bad (alignment < 4K) $ virt-alignment-scan -c qemu:///system -d Win7TwoDisks /dev/sda1 1048576 1024K ok /dev/sda2 105906176 1024K ok /dev/sdb1 65536 64K ok
すべての libvirt 仮想マシンをスキャンするには -a や -d オプションをつけずに virt-alignment-scan を実行します。
# virt-alignment-scan F16x64:/dev/sda1 1048576 1024K ok F16x64:/dev/sda2 2097152 2048K ok F16x64:/dev/sda3 526385152 2048K ok
出力は 4 つまたはそれより多い、空白区切りの項目から構成されます。プログラムからこれを構文解析する場合、最初の 4 列のみが重要です。各項目は次のとおりです:
- 1 列目
- The device and partition name (eg. /dev/sda1 meaning the first
partition on the first block device).
すべての libvirt 仮想マシンを一覧表示するとき (-a や -d オプションなし)、この列は libvirt 名または UUID が先頭につきます (--uuid が指定されていると)。例: "WinXP:/dev/sda1"
- 2 列目
- パーティションの開始位置(バイト単位)
- 3 列目
- バイトまたはキロバイト単位のアライメント(例: 512, "4K")
- 4 列目
- アライメントが最適なパフォーマンスの場合に "ok"、アライメントがパフォーマンスの問題を引き起こす可能性がある場合に "bad"。
- 5 列目以降
- オプションの自由なテキスト説明。
プログラムからの終了コードは、不適切に配置されたパーティションが見つかったかどうかに依存して変わります。以下の "終了ステータス" を参照してください。
出力なしで終了コードを欲しいならば、-q オプションを使用してください。
オプション¶
- --help
- 簡単なヘルプを表示します。
- -a file
- --add file
- 仮想マシンからディスクイメージの
file を追加します。
ディスクイメージの形式は自動検知されます。 これを上書きして強制的に特定の形式を使用する場合、 --format=.. オプションを使用します。
- -a URI
- --add URI
- リモートディスクを追加します。 "リモートストレージの追加" in guestfish(1) 参照。
- --blocksize=512
- --blocksize=4096
- --blocksize
- This parameter sets the sector size of the disk image. It affects all explicitly added subsequent disks after this parameter. Using --blocksize with no argument switches the disk sector size to the default value which is usually 512 bytes. See also "guestfs_add_drive_opts" in guestfs(3).
- -c URI
- --connect URI
- libvirt
を使用していると、指定された
URI に接続します。
省略すると、デフォルトの
libvirt
ハイパーバイザーに接続します。
ゲストのブロックデバイスを直接指定していると((-a))、libvirt は何も使用されません。
- -d guest
- --domain guest
- 名前付きの libvirt 仮想マシンからすべてのディスクを追加します。 名前の代わりに仮想マシンの UUID を使用できます。
- --format=raw|qcow2|..
- --format
- -a
オプションは標準状態でディスクイメージの形式を自動検知します。
これを使用することにより、コマンドラインで後続の
-a
オプションのディスク形式を強制的に指定できます。
引数なしで --format
を使用することにより、
後続の -a
オプションに対して自動検知に戻せます。
例:
virt-alignment-scan --format=raw -a disk.img
forces raw format (no auto-detection) for disk.img.
virt-alignment-scan --format=raw -a disk.img --format -a another.img
forces raw format (no auto-detection) for disk.img and reverts to auto-detection for another.img.
仮想マシンのディスクイメージが信頼できない raw 形式である場合、 ディスク形式を指定するためにこのオプションを使用すべきです。 これにより、悪意のある仮想マシンにより起こり得る セキュリティ問題を回避できます (CVE-2010-3851)。
- -P nr_threads
- Since libguestfs 1.22, virt-alignment-scan is multithreaded and examines
guests in parallel. By default the number of threads to use is chosen
based on the amount of free memory available at the time that
virt-alignment-scan is started. You can force virt-alignment-scan to use
at most "nr_threads" by using the
-P option.
Note that -P 0 means to autodetect, and -P 1 means to use a single thread.
- -q
- --quiet
- Don’t produce any output. Just set the exit code (see "EXIT STATUS" below).
- --uuid
- 名前の代わりに UUID
を表示します。仮想マシンがマイグレーションまたは名前変更されたとき、または偶然
2
つの仮想マシンが同じ名前を持つとき、仮想マシンに使用させるために有用です。
すべての libvirt 仮想マシンを一覧表示するとき (-a や -d オプションが指定されていないとき)、 このオプションのみが適用されます。
- -v
- --verbose
- デバッグ用の冗長なメッセージを有効にします。
- -V
- --version
- バージョン番号を表示して、終了します。
- -x
- libguestfs API 呼び出しのトレースを有効にします。
推奨されるアライメント¶
Windows 2008 および ca.2010 以前のLinux よりも古いオペレーティングシステムは、512 バイトのセクター容量でセクター 63 に、第 1 パーティションの第1セクターを配置しなければいけません。これは古くからの障害によるものです。ドライブは BIOS にシリンダー/ヘッド/セクター (CHS) の配置を通知する必要があります。配置は最近のドライブにおいては意味がありませんが、必ずトラックあたり 63 セクターを持つことをときどき通知します。そのため、オペレーティングシステムはセクター 63 にある、第 2 "トラック" の先頭にある第 1 パーティションに置かれます。
ゲスト OS が仮想化されているとき、ホストオペレーティングシステムおよびハイパーバイザーは以下のどれかにアライメントされていることが好ましいでしょう。
- 512 バイト
ホスト OS がハードディスクのパーティションに直接ローカルストレージを使用して、ハードディスクが 512 バイトの物理セクターを持っている場合。
- 4 K バイト
4K バイトの物理セクターを持つ新規ハードディスクにおけるローカルストレージ向け。 4K バイトのブロック容量を持つファイルシステムにおけるファイル形式のストレージ向け。もしくは、何種類かのネットワークストレージ(NAS)向け。
- 64 K バイト
ハイエンドの NAS 向け。いくつかの NetApp ハードウェアに最適なブロックサイズです。
- 1 M バイト
以下の "1 MB パーティションアライメント" 参照。
基礎となるストレージに正しくアライメントされていないパーティションは余計な I/O を引き起こします。たとえば:
sect#63 ┌──────────────────────────┬ ─ ─ ─ ─ │ guest │ │ filesystem block │ ─ ┬──────────────────┴──────┬───────────────────┴─────┬ ─ ─ │ host block │ host block │ │ │ │ ─ ┴─────────────────────────┴─────────────────────────┴ ─ ─
この例では、4K ブロックが読み込まれるたびに、ホストにある 2 つのブロックにアクセスする必要があります(そのため I/O が 2 倍になります)。仮想マシンの 4K ブロックが書き込まれるとき、まず 2 つのホストブロックを読み込む必要があり、古いデータと新しいデータが結合され、2 つのブロックが書き込まれます(4 倍の I/O)。
Linux ホストブロック¶
新しいバージョンの Linux カーネルは、物理ブロック容量、論理ブロック容量および最小かつ推奨の I/O サイズを明らかにします。
一般的な 512 バイトセクターのハードディスク向け:
$ cat /sys/block/sda/queue/hw_sector_size 512 $ cat /sys/block/sda/queue/physical_block_size 512 $ cat /sys/block/sda/queue/logical_block_size 512 $ cat /sys/block/sda/queue/minimum_io_size 512 $ cat /sys/block/sda/queue/optimal_io_size 0
新しい 4K バイトセクターのハードディスク向け:
$ cat /sys/block/sda/queue/hw_sector_size 4096 $ cat /sys/block/sda/queue/physical_block_size 4096 $ cat /sys/block/sda/queue/logical_block_size 4096 $ cat /sys/block/sda/queue/minimum_io_size 4096 $ cat /sys/block/sda/queue/optimal_io_size 0
NetApp LUN 向け:
$ cat /sys/block/sdc/queue/logical_block_size 512 $ cat /sys/block/sdc/queue/physical_block_size 512 $ cat /sys/block/sdc/queue/minimum_io_size 4096 $ cat /sys/block/sdc/queue/optimal_io_size 65536
NetApp は、最小の 4K I/O サイズより好ましい 512 バイトアクセスが可能です(しかし、非常に効率が悪いです)、しかし最適な I/O サイズは 64K です。
これらの数字の意味に関する詳細は http://docs.redhat.com/docs/en-US/Red_Hat_Enterprise_Linux/6/html/Storage_Administration_Guide/newstorage-iolimits.html を参照してください。
[4K ドライブデータを提供してくれた Matt Booth に感謝します。NetApp のデータと追加情報を提供してくれた Mike Snitzer に感謝します。]
1 MB パーティションアライメント¶
Microsoft は Windows Server 2008 以降、すべてのパーティションに対してデフォルトのアライメントとして 1 MB を選択しました。 Linux はこれに従ってきました。
仮想マシンにおいて 512 バイトのセクターと仮定すると、セクター 2048 に開始されている最初のパーティションを参照してください。また、(もしあれば)後続のパーティションは 2048 セクターの倍数から始まります。
1 MB アライメントはすべての現行アライメント要求 (4K, 64K) と互換性があります。また、物理ブロック容量における将来的な拡張の余地を残します。
アライメントの設定法¶
virt-resize(1) can change the alignment of the partitions of some guests. Currently it can fully align all the partitions of all Windows guests, and it will fix the bootloader where necessary. For Linux guests, it can align the second and subsequent partitions, so the majority of OS accesses except at boot will be aligned.
Another way to correct partition alignment problems is to reinstall your guest operating systems. If you install operating systems from templates, ensure these have correct partition alignment too.
古いバージョンの Windows は、次の NetApp ドキュメントに有用な情報があります: http://media.netapp.com/documents/tr-3747.pdf
For Red Hat Enterprise Linux ≤ 5, use a Kickstart script that contains an explicit %pre section that creates aligned partitions using parted(8). Do not use the Kickstart "part" command. The NetApp document above contains an example.
終了ステータス¶
このプログラムは以下を返します:
- 0
正常終了、すべてのパーティションが最高のパフォーマンスのために ≥ 64K に配置されています
- 1
ディスクイメージまたは仮想マシンのスキャン中にエラーが発生しました
- 2
正常終了、いくつかのパーティションがハイエンドのネットワークストレージにおいてパフォーマンスの悪い < 64K のアライメントを持ちます
- 3
正常終了、いくつかのパーティションが多くのハイパーバイザーにおいてパフォーマンスの悪い < 4K のアライメントを持ちます
関連項目¶
guestfs(3), guestfish(1), virt-filesystems(1), virt-rescue(1), virt-resize(1), http://libguestfs.org/.
著者¶
Richard W.M. Jones http://people.redhat.com/~rjones/
COPYRIGHT¶
Copyright (C) 2011 Red Hat Inc.
LICENSE¶
BUGS¶
To get a list of bugs against libguestfs, use this link: https://bugzilla.redhat.com/buglist.cgi?component=libguestfs&product=Virtualization+Tools
To report a new bug against libguestfs, use this link: https://bugzilla.redhat.com/enter_bug.cgi?component=libguestfs&product=Virtualization+Tools
When reporting a bug, please supply:
- The version of libguestfs.
- Where you got libguestfs (eg. which Linux distro, compiled from source, etc)
- Describe the bug accurately and give a way to reproduce it.
- Run libguestfs-test-tool(1) and paste the complete, unedited output into the bug report.
2021-01-05 | libguestfs-1.44.0 |